無停電電源装置は略してUPS(Uninterruptible Power Systems)と呼ばれ、電源に異常が発生した際にUPSから電力を供給し、UPSに接続した機器の運転を継続したり、電源の異常により機器が故障したりすることを防ぐ装置です。
図1はUPSの接続図です。
図1
商用電源と保護したい機器の間にUPSを接続します。UPSはプラグ-コンセントがついていて、1次側のプラグをコンセントに差し、UPSのコンセントに保護したい機器のプラグを差すようになっているものや、ケーブルで接続するものなどがあります。
図2
電源が正常な時は、商用電源をそのままUPSを通過して出力する方式です。電源に異常が発生した場合は、UPSに内蔵しているバッテリーからの電力供給に切り替えますが、切り替える際に瞬断というごく短い時間の停電が発生します。
図3
常時商用給電方式に、自動電圧調整器を設置したものです。動作は常時商用給電方式と同じですが、多少の電圧変動の場合は自動電圧調整器で調整することで、UPS内蔵のバッテリーに切り替えなくても電力を供給できます。
図4
電源が正常な時も、異常があるときも、常時UPS内のインバーターを経由して負荷に電力を供給する方式です。常にインバーターが電圧や周波数を一定に保つため、負荷にはきれいな正弦波の電力が供給されます。
各給電方式を比較すると下表のとおりです。
常時商用 給電方式 |
ラインインタラクティブ 方式 |
常時インバーター 給電方式 |
|
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停電時の切り替え | × 停電時に瞬断を伴う |
× 停電時に瞬断を伴う |
○ 停電時は無瞬断で バッテリーに切替 |
効率 | ○ 通常時は入力をそのまま 出力するので高効率 |
△ 通常時は自動電圧調整器の ロスが多少ある |
× コンバーターやインバーターの ロスがある |
電源品質 | × 電源のノイズや電圧変動 が出力側にも影響する |
△ 自動電圧調整器で電圧が 調整される |
○ 常にインバーターで電圧、周波数が 一定に保たれる |
価格 | ○ 構造が簡単で低価格 |
△ 構造が簡単で低価格 |
× 高価 |