日本では、電気を送電したり配電するのに3相交流が採用されています。
3相交流とは、3組の単相交流を3本の電線で送電できる方式です。街中の電柱の上の方をみると、水平に3本の電線が架かっているのが確認できます。
図1は3相交流電源と3相負荷の接続図です。
図1
また、負荷は△型に接続しています。この△型の接続をデルタ結線といいます。
図2
この3相交流をベクトル図で表すと図3のようになります。
図3
相電圧である
(Eは実効値)
となります。
また、線間電圧である
となります。平衡3相電源では、
V=√3E
となります。
送電電力、電力損失、電路の亘長を一定とし、単相2線式を100として電線総重量を比較すると下記のとおりになります。
電気方式 | 単相2線式 | 単相3線式 | 3相3線式 | 3相4線式 |
電線総重量 | 100 | 37.5 | 75 | 33.3 |
電気方式 | 単相2線式 | 単相3線式 | 3相3線式 | 3相4線式 |
送電電力 | 100 | 66.6 | 115 | 87 |
よって3相3線式は単相2線式に比べ、少ない電線の量でたくさんの電力を送電できることになります。
3相交流は、3つの単相交流が120[°]ずつずれていますので、それぞれ最大値や最小値及び0になるタイミングが規則的かつ交互にやってきます。3つのコイルを120[°]ずつずらして配置し3相交流を印加すれば、3つのコイルに順番に最大値がやってきますので回転する磁界が発生できるのです。これを利用したのが3相電動機です。