図1
図1は、負荷抵抗Rに電力を供給する回路です。電源電圧をVs、電線の抵抗をRa、負荷側電圧をVrとしています。スイッチSWがOFFのとき、電源電圧Vs=負荷側電圧Vrとなります。
スイッチSWを閉じると負荷に電流が流れます。
図2
図2は、スイッチSWをONした図です。
回路には電流Iが流れています。この電流Iが流れることによって電線の抵抗Raに電圧Vdがかかります。
Vdはオームの法則より、
Vd=IRa
となります。よって、負荷側電圧Vrは
Vr=Vs-2Vd
となります。
図1のように無負荷の時は電源と負荷側の電圧は等しくなりますが、図2のように負荷がかかって電流が流れると、負荷側の電圧が電路の抵抗によって電源電圧より低くなります。これを電圧降下といいます。
屋内配線によく用いられるVVFケーブルのVVFケーブル2.0mmは、許容電流は約24[A]、インピーダンスは約6[Ω/km]です。
VVFケーブルで10m配線し、10[A]を流すと電圧降下Vdは
Vd=10[A]×6[Ω/km]×10[m]/1000[m]×2=1.2[V]
となります。電源電圧Vsが105[V]とすれば、負荷側電圧Vrは
Vr=105[V]-1.2[V]=103.8[V]
となり正常です。
しかし、VVFケーブルで100m配線し、10[A]を流すと電圧降下Vdは
Vd=10[A]×6[Ω/km]×100[m]/1000[m]×2=12[V]
となります。電源電圧Vsが105[V]とすれば、負荷側電圧Vrは
Vr=105[V]-12[V]=93[V]
となり、電圧が低くなりすぎてしまいます。
よって、ケーブル亘長が短い場合は許容電流に注意し、長い場合は電圧降下に注意する必要があります。