キルヒホッフの電流則とは、
「回路網中の任意の点において、流入する電流を正とし、流出する電流を負とすると、それらの総和は0になる。」
というものです。
図1の回路でこの法則を考えます。
図1
図1の場合、キルヒホッフの電流則を適用すると、
I1+I2-I3-I4=0
つまり
I1+I2=I3+I4
ということになります。
キルヒホッフの電圧則とは、
「回路網中の任意の閉回路において、その閉回路を任意の方向に一巡するとき、一巡する方向と同一方向の起電力を正とし、反対方向の起電力を負とすると、それらの総和は0になる。」
というものです。
図2の回路でこの法則を考えます。
図2
図2の場合、キルヒホッフの電圧則を適用すると、
E-IR=0
ということになります。
<例題>
下図のような、6[V]と8[V]の電池、3[Ω]と4[Ω]と12[Ω]の抵抗からなる回路がある。Ia、Ib、Icを求めよ。
キルヒホッフの電流則より
Ia+Ib=Ic ・・・@
半分から左側の閉回路にキルヒホッフの電圧則を適用すると、
+6-3Ia+4Ib-8=-3Ia+4Ib-2=0
よって
3Ia=4Ib-2
Ia=4Ib/3-2/3 ・・・A
半分から右側の閉回路にキルヒホッフの電圧則を適用すると、
+8-4Ib-12Ic=0 ・・・B
Bに@を代入すると、
+8-4Ib-12Ic=+8-4Ib-12(Ia+Ib)=+8-4Ib-12Ia-12Ib
=+8-16Ib-12Ia=0 ・・・C
CにAを代入すると、
+8-16Ib-12Ia=+8-16Ib-12(4Ib/3-2/3)
=+8-16Ib-16Ib+8=16-32Ib=0
32Ib=16
Ib=0.5[A] ・・・D
DをAに代入すると、
Ia=4Ib/3-2/3=2/3-2/3=0[A] ・・・E
D、Eを@に代入すると、
Ic=Ia+Ib=0.5+0=0.5[A]
答え Ia=0[A] Ib=0.5[A] Ic=0.5[A]