重ね合わせの理は、キルヒホッフの法則で解くと時間がかかる場合に役立ちます。
図1の回路でこの定理を考えます。
図1
図2は、図1のEbを消去し短絡した図です。
図2
図3は、図1のEaを消去し短絡した図です。
図3
図1のIa、Ib、Icは、
Ia=Ia’+Ia’’
Ib=Ib’+Ib’’
Ic=Ic’+Ic’’
となります。
これを重ね合わせの理といいます。
<例題>
下図のような、6[V]と8[V]の電池、3[Ω]と4[Ω]と12[Ω]の抵抗からなる回路がある。
Icを求めよ。
8[V]の電池を消去し短絡すると、下図のようになる。
Ia’=E/R
=6/{3+(4×12)/(4+12)}
=6/6
=1
分流の法則より
Ic’={4/(4+12)}×1
=0.25[A] ・・・@
6[V]の電池を消去し短絡すると、下図のようになる。
Ib’’=E/R
=8/{4+(3×12)/(3+12)}
=8/(4+36/15)
=8/(60/15+36/15)
=8/(96/15)
=120/96
=5/4
分流の法則より
Ic’’={3/(3+12)}×(5/4)
=(3/15)×(5/4)
=15/60
=0.25[A] ・・・A
重ね合わせの理より
Ic=Ic’+Ic’’ ・・・B
Bに@とAを代入すると、
Ic=Ic’+Ic’’
=0.25+0.25
=0.5[A]
答え Ic=0.5[A]