放電等によって気体が電子とイオンに分かれた状態を電離といい、電離状態にある気体をプラズマといいます。そして放電は大きく分けるとコロナ放電・火花放電・アーク放電・グロー放電の4種類があります。
標準気体(20℃1気圧)のもとで交流の実効値が約21[kV/cm]になると、空気の絶縁が失われて、ジージーという音と青白い光を発する現象をコロナ放電といいます。コロナ放電が発生すると、電力損失が発生します。これをコロナ損といいます。
コロナ放電は、導体の突端部分に高電圧が印加されるとその周囲の電界が強くなり、導体の突端部分の付近のみで放電します。
コロナ放電は、電圧が高いほど、また電圧が印加されている導体部分が細いほど発生しやすくなります。またコロナ放電によって、電線が腐食したり、通信線に誘導障害を起こす場合もあります。
コロナ放電を防止するために、高電圧送電線等のケーブルを太くしたり、シールドリングを取り付けたりします。
コロナ放電の状態から、さらに電圧を上昇させたり、導体の突端部分と他の導体との距離を減少させると、導体の突端部分と他の導体との間が間欠的に火花でつながる火花放電が発生します。火花放電は電流が小さく、間欠的で不安定な放電です。閃光と、大きな破裂音を伴います。
火花放電の状態で、電流が増大すると、低電圧でも継続的な放電を生じるようになります。これをアーク放電といいます。
アーク放電の内部では印加された電圧によって電子が気体の分子に衝突して、気体を電子とイオンに電離しています。
またアーク放電の高温によって気体が電離しています。これを熱電離といいます。
アーク放電は高温を発するため、アーク溶接機やアーク溶鉱炉等に用いられています。
低圧の気体中に電極を設置し、電圧を印加し電流を流すと、気体の種類によって色合いが異なる放電が発生します。これをグロー放電といいます。ネオンや蛍光灯のグローランプ等に利用されています。
アーク放電を、様々な気体によって電圧や電流、放電の色合いを制御しています。ネオン管の中では、充填された気体が電子とイオンに電離しています。