コンデンサと静電容量
コンデンサは電荷を蓄える
コンデンサの原型 ライデン瓶
18世紀ころ、ライデン瓶というものが使用されていました。ライデン瓶は、ガラス瓶の外面と内面に金属箔を貼り付けたもので図1のような形をしています。
図1

瓶上部の導体に摩擦などで発生した+電荷を与えると、くさりを伝って瓶内面には+電荷、瓶外面には-電荷が蓄えられます。電荷がたまっている時に、瓶上部の導体と瓶外面の金属箔を電線で短絡しようとすると火花が散ります。
このライデン瓶が進化したものが図2のようなコンデンサです。
図2

金属などの導体で誘電体という絶縁物をはさんだものがコンデンサです。
@は充電されていない状態のコンデンサです。
では上側の金属板には+電荷、下側の金属板には-電荷がたまっています。これは下側の金属板の+電Aはコンデンサに電池を接続した状態です。電池の力によって、上の電極の負電荷が下の電極に移動し、下の電極の正電荷が上の電極に移動します。
Bは正電荷と負電荷が移動し終わり、コンデンサが完全に充電された状態です。
Cは充電されたコンデンサから電池を外した状態です。コンデンサは充電された状態を維持します。
Dは充電されたコンデンサに豆電球を接続した状態です。上の電極の正電荷が下の電極に移動し、下の電極の負電荷が上の電極に移動します。移動の際に豆電球を通過するため、豆電球が点灯します。
Eは正電荷と負電荷の移動が終わり、コンデンサが完全に放電された状態です。
電荷をためるには限界がある
図2のようにコンデンサに電池を接続すると、始めのうちは+電荷が上側の金属板に移動し、-電荷が下側に移動します。電荷が移動しているので、電池と電線には電流が流れます。
しかし時間がたつにつれ、+電荷と-電荷が上下の金属板に完全に分かれてしまうため、電荷の移動がなくなります。電荷の移動がなくなるということは電流も0になります。これはコンデンサが完全に充電されたことを意味します。
コンデンサの大きさを表す静電容量
電荷をたくさんためるには
図2のコンデンサが電荷をたくさんためるには、
@金属板の面積を大きくする
A絶縁物を薄くする
B金属板が電荷をためやすいように絶縁物の種類をかえる
などの方法があります。
この@〜Bの関係から、コンデンサがどのくらい電荷を蓄えられるかを示す静電容量という数値を導く公式があります。
C=εS/d
C:静電容量[F] ε:誘電率 S:金属板の面積[u] d:金属板の間隔[m]
静電容量が大きければ大きいほど、電荷をたくさん蓄えられることになります。
εは誘電率といい、絶縁物の分極(絶縁物内の分子内で+電荷と-電荷が分離すること)のしやすさを示す定数で、絶縁物の種類によって定まります。絶縁物は電流は通しませんが、絶縁物内の分子内で+電荷と-電荷が分離して、電荷を蓄えることが出来るので、誘電率が高いほうがコンデンサの絶縁物に適していることになります。誘電率の高い絶縁体を誘電体といいます。
コンデンサの静電容量と電荷の関係
コンデンサに電圧をかけると電荷がたまります。
図3

図3のように静電容量C[F]のコンデンサに直流電圧V[V]をかけたとします。
するとコンデンサにはQ[C]の電荷がたまります。
この電荷Q、静電容量C、電圧Vの間には
Q=CV
という関係があります。
コンデンサの直列接続と並列接続
直列接続した場合の合成静電容量
コンデンサを2つ直列接続した場合の合成静電容量を考えます。
図4

図4は静電容量がC1[F]のコンデンサとC2[F]のコンデンサを直列接続し、直流電圧V[V]をかけている図です。
C1[F]のコンデンサとC2[F]のコンデンサを直列接続すると合成静電容量C[F]は
C=C1×C2/(C1+C2)
となります。よって図4の回路は図5のように変形できます。
図5

図5のコンデンサの電荷Qは
Q=CV
=C1×C2×V/(C1+C2)
となり、コンデンサの+側には+Q[C]、-側には-Q[C]がたまります。
よって図4のQ1、Q2と図5のQの関係は
+Q1=+Q
-Q2=-Q
より
Q1=Q2=Q
となり、図4のQ1とQ2が等しくなることがわかります。
つまり、静電容量の異なるコンデンサでも直列接続するとたまる電荷は等しくなるということが分かります。
並列接続した場合の合成静電容量
コンデンサを2つ並列接続した場合の合成静電容量を考えます。
図6

図6は静電容量がC1[F]のコンデンサとC2[F]のコンデンサを並列接続し、直流電圧V[V]をかけている図です。
コンデンサC1[F]にたまる電荷Q1[C]は
Q1=C1V
同様にコンデンサC2[F]にたまる電荷Q2[C]は
Q2=C2V
となります。
また、C1[F]のコンデンサとC2[F]のコンデンサを並列接続すると合成静電容量C[F]は
C=C1+C2
となります。よって図6の回路は図7のように変形できます。
図7

図7のコンデンサの電荷Qは
Q=CV
=(C1+C2)V
となり、コンデンサの+側には+Q[C]、-側には-Q[C]がたまります。
よって図7のQ1、Q2と図6のQの関係は
Q1+Q2=Q
(-Q1)+(-Q2)=-Q
となります。
つまり、静電容量の異なるコンデンサを並列接続するとたまる電荷は静電容量に比例するということが分かります。
実際のコンデンサの構造
外形は小さくても静電容量が大きくなるように工夫がされている
コンデンサは、外形が小さくて、静電容量が大きいほうが優れていることになります。そのためにいろいろな工夫がされています。構造的には、金属箔と誘電体の細い帯をつくり、それらを重ねてトイレットペーパーのように巻いてあるもの、誘電体の板と金属板を何重にも重ねてあるもの、誘電体の表面に金属を蒸着・焼き付けてあるものなどがあります。また誘電体は、誘電率が高く絶縁耐力の大きいマイカ・ガラス・セラミック・プラスチック・パラフィン・絶縁油・アルミ酸化皮膜などが使用されます。
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