資格試験で口頭試験を実施するものはあまり多くありませんので、口頭試験に慣れている方は少ないと思います。まず口頭試験の流れを説明します。
筆記試験に合格したら、技術的体験論文を提出します。論文の位置付けは
「口頭試験においては、技術的体験論文は口頭試験の一部として使用し、その内容を踏まえた上で、口頭試験の採点を行うこととする。」
とされています。簡単に言えばプレゼン資料になります。口頭試験で試験官が手元に置いていることを意識して、分かりやすい論文になるよう心がけましょう。
受験票に記載された時刻に間に合うよう試験会場に行き、受付を済ませます。受付後、受験者が試験時刻まで待機する控室が用意されていますが、外出しても大丈夫です。試験時刻の15分前になったら試験室の前の廊下に置かれた椅子に移動します。このあたりは受付時に説明されます。
前の受験者が口頭試験を終えて退室してきます。そこから採点を行い、試験時刻になると室内から試験官が呼びに来ます。
試験室には、他の試験官が待っています。入室したら、一礼し「失礼します。」挨拶します。
予備に来た試験官から、荷物を置く場所を指示されます。椅子か台がありますので、カバン等はそこにおきます。
この時点ではまだ着席しません。受付時に試験室に入ったら受験番号と氏名を言うように指示されます。試験官から「受験番号とお名前をお願いします。」と言われたら、「○○○の□□と申します。よろしくお願い致します。」と言います。
試験官から着席を促されたら、「失礼します。」と言って着席します。
ここから試験は始まります。
試験官は2名以上で、論文に関する質問や技術的な質問をする試験官と、技術士法や倫理の質問をする試験官がいます。
口頭試験の流れは、
@経歴の説明
A論文の説明
B試験官から論文に関する質問
C専門とする分野に関する質問
D技術士法や倫理に関する質問
といった感じです。
一通り質問が終わると終了となります。制限時間いっぱいまで行う場合と多少早く終わる場合があります。カバン等の荷物を持って「ありがとうございました。」と挨拶し退室します。
口頭試験では下記の点に気をつけます。
@質問をよく聞いて、的を得た回答をします。「はい」か「いいえ」で答える質問に対し、理由から説明すると、理解しにくいやりとりになりがちで、ストレスを感じさせてしまいます。
「○○を行ったのですか?」
「はい。理由は○○です。」
というやりとりが円滑に試験を進めるコツです。
Aわからないことを質問されたら「すみません。分かりません。帰ったら調べてみます。」と答えます。すると代わりの質問をしてくれます。分からない質問に対して悪あがきをするのは禁物です。知っていることを言って煙に巻くということは通用しないですし、限られた試験時間を浪費してしまいます。1つ2つ答えられない質問があっても、十分挽回できます。
B試験官と意見が食い違ったり、自分の回答を否定されても引き下がることが大事です。間違っても討論にならないようにします。「私は○○と理解していましたが、間違っているかも知れませんので、調べてみます。」のように、心証を害しないように収めましょう