電力会社から電気の供給を受けるにはいくつかの種類があります。電力会社から1系統のケーブルで電力供給を受ける場合や2系統以上のケーブルで電力供給を受ける場合など、電力供給を受ける需要家の規模や重要度に応じて選択されます。
図1
図1は、一回線受電方式です。
一回線の送電線の途中で分岐して、何箇所かの需要家が接続している場合もあります。
一回線受電方式は、変電所から需要家までが一回線で接続されていますので、シンプルで経済的な方式です。ただし、変電所から需要家の送電線で事故が発生すると、需要家は停電してしまうという欠点があります。主に6600Vの高圧系統がこの方式を採用しています。
図2
図2は、本線予備線受電方式です。
本線予備線方式は、常時は2回線のうち片方の1回線=本線で受電しますが、本線故障時に本線側CBを開いて予備線側CBを入れることにより、短時間の停電で受電が再開できるという長所があります。
図3
図3は、ループ受電方式です。
ループ受電方式は、常時2回線で受電するため、片側の1回線が故障してもその回線を遮断することにより、もう片方の1回線から受電を継続できるという長所があります。
ただし、各需要家間や変電所-需要家間の区間ごとに故障を監視する必要があるため、保護継電器が複雑になります。
また、需要家の受電点の遮断器CB等はループの電流を流すため大型になります。
ループ受電方式は、22〜66kVの特別高圧系統で採用されています。
図4
図4はスポットネットワーク受電方式です。
平常時は、3回線から同時に受電しますのでもっとも停電しにくい受電方式です。
配電線の保守時には、1回線ごとに停止させるため、需要家の停電は不要です。また、配電線故障時には変圧器2次側のCBが自動的に遮断され、復電時には自動的に投入されます。
スポットネットワーク受電方式には逆電力遮断・差電圧投入・無電圧投入の3大特性と呼ばれる制御があります。
もっとも高コストですが、信頼性の高い受電方式です。