乾電池、豆電球、スイッチを直列接続し、スイッチを入れるとすぐに電球が点灯します。これを見ていると、スイッチを入れると同時に乾電池の電圧が豆電球にかかっているように見えます。
しかし、スイッチを入れた瞬間、豆電球にかかる電圧や、流れる電流が変化し始め、その変化がある一定の値で落ち着くにはごく短時間ですが時間がかかります。この定常状態に達するまでの現象を過渡現象といいます。
レンツの法則によると、インダクタンスは電流を流すとその電流を流しにくくする方向に電圧が発生します。よって抵抗0のコイルに直流電圧を印加すると、初めのうちはコイルのインダクタンスに発生した逆起電力によって電流は制限されますが、次第に逆起電力は直流電圧に負けて0に近づき、やがて大電流が流れることになります。
コンデンサに直流電圧を印加すると、初めのうちはコンデンサの+側電極に+電荷、-側電極に-電荷というように+電荷と-電荷が分かれて蓄積されます。このとき、+電荷と-電荷が移動しますのでコンデンサに電流が流れている状態になります。しかし+電荷と-電荷がコンデンサに満たされてくると、次第に電荷の移動はなくなっていき、やがて電流が0になります。