電気主任技術者・電気工事士・エネルギー管理士・技術士等の資格試験と電気技術情報サイト

技術士2次試験対策(技術的体験論文)

技術的体験論文について

技術士2次試験の筆記試験に合格すると、口頭試験に進みます。その口頭試験に先立ち、論文を提出する必要があります。この論文の位置づけは、「口頭試験においては、技術的体験論文は口頭試験の一部として使用し、その内容を踏まえた上で、口頭試験の採点を行うこととする。」とされています。つまり、論文そのものが採点されるのではなく、論文の内容を踏まえて口頭試験を行い、口頭試験の採点を行うということです。
論文の内容は年によって変わることがありますが、一番多いのは下記のような内容です。

技術的体験論文の内容(総合技術監理部門以外の部門)

あなたが受験申込書に記入した「専門とする事項」について実際に行った業務のうち、受験した技術部門の技術士にふさわしいと思われるものを2例挙げ、それぞれについてその概要を記述せよ。さらに、そのうちから1例を選び、以下の事項について記述せよ。
(1)あなたの立場と役割
(2)業務を進める上での課題及び問題点
(3)あなたが行った技術的提案
(4)技術的成果
(5)現時点での技術的評価及び今後の展望

論文作成の準備作業

論文のテーマ選定

まずは論文のテーマを決めます。
論文は
受験申込書に記入した「専門とする事項」について実際に行った業務のうち、受験した技術部門の技術士にふさわしいと思われるもの
と要求されています。
技術士とは、
「技術士法(以下『法』という)第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、
科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、
設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務
を行う者」
と技術士法第2条第1項に定義されています。
よって、受験申込書に記入した「専門とする事項」について実際に行った業務のうち、計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務のピックアップを行います。
そのピックアップが終わったら、
科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とした業務
を2例ピックアップします。
大切なのは、大規模な業務・コストが高額な業務ではないということです。
業務を遂行するにあたって、マニュアル通りに簡単に実施したのではなく、科学技術的に創意工夫をした業務が相応しいです。
創意工夫の例としては、
●電気設備の設計をするにあたり、施主からあまり過去に事例がない特殊な要求があったため、その要求に応えるべく仕様を検討した。
●電気設備の試験をするにあたり、ある特定の異常を一般的な試験方法では見落としてしまうことに気が付いたため、自ら考えた試験方法で追加試験を行った。
●既存の電気設備で運用上問題があったため、それを解決すべく既存設備の制約の中、最適な改修方法を計画した。
などがあります。
業務を2例ピックアップしたら、業務概要を記述するものと、業務概要と業務詳細を記述するものを選びます。

論文の全体構成計画

テーマが決まったら、論文の全体構成を検討します。概要を記述する業務を業務1、概要と業務詳細を記述する業務を業務2とします。
論文の基本構成(見出し)は、
1.業務1の業務概要
2.業務2の業務概要
3.業務2の業務詳細
 (1)私の立場と役割
 (2)業務を進める上での課題及び問題点
 (3)私が行った技術的提案
 (4)技術的成果
 (5)現時点での技術的評価及び今後の展望
となります。
業務概要は、業務の全体がイメージできるような大まかな内容を記述します。
電気設備の新設工事であれば、
●どのような建物に
●どのくらいの規模(容量)の
●どんな設備を設置する工事で
●どのような立場で業務を行ったか
というイメージです。
業務詳細は業務概要に加えて、与えられた課題である(1)〜(5)の5つを記述します。
業務詳細で注意すべきポイントは、
●業務を進める上でどんな課題があって
●課題を達成するにはどんな問題点があって
●その問題点を解決すべくどんな技術的提案を行い
●提案した内容を実施してどんな技術的成果があったか
●今現在の技術を利用するならどのように業務を行うか
ということを分かりやすく、かつ論理的に記述することです。
@課題は、単純に言うと業務の目的です。何か業務を行うのは、何らかの目的があります。その目的を記述します。
A問題点は、課題を達成するためにクリアしなければいけない難関を指しています。例えば、マニュアル通りに行かない特殊事情であったり、通常より高い要求などがそれにあたります。
B解決方法は、問題点をどのように解決したかを記述します。問題点を根本的に解決できる方法が望ましいです。
C技術的成果は、解決方法を行った結果どうなったかを記述します。問題点がどのように解決され、課題がどのように達成されたのかということです。
そして最後に、現時点での技術的評価及び今後の展望として、業務実施当時にはなかった現在の技術や、今後よりよくするためには何が望まれるかを記述します。
特に@課題・A問題点・B解決方法・C成果の4つを論理的に筋道を立てて整理することが非常に重要です。

論文の作成

論文の形式

論文の形式は下記の通り指定されています。
(1)用紙の1枚目には、受験番号、氏名、技術部門、選択科目、専門とする事項を記載すること。
(2)A4縦の用紙2枚以内に図表等を含め3,000字以内、白黒で作成すること。
(3)用紙は、片面のみ使用(裏面は使用不可)し、横書きとすること。
(4)原則ワープロで作成するものとするが、手書きで作成しても良い。
(5)書式は、1枚目40文字×35行、2枚目40文字×40行、ワープロで作成する文字の大きさは、原則10.5ポイントとすること。
(6)論文は、左上1箇所をホッチキスで留めたものを3部(コピー可)提出すること。
手書きでもよいのですが、やはり見た目はワープロにはかなわないのでワープロを作成しましょう。技術士会のHPでWordファイルがダウンロードできます。注意事項も掲載されていますので、よく読んで論文作成に取り掛かりましょう。

見やすさを意識する

仕事で提案書やレポートを書く場合と同様ですが、見やすさを意識しましょう。特に見出しをきちんと振ることが大事です。
見出しの例は
1.業務1の業務概要
2.業務2の業務概要
3.業務2の業務詳細
 (1)私の立場と役割
 (2)業務を進める上での課題及び問題点
 (3)私が行った技術的提案
 (4)技術的成果
 (5)現時点での技術的評価及び今後の展望
となります。
注意事項に、「ゴシック体、太字、下線、文字サイズ変更等によりキーワードを強調しても構いません。」と記載されていますので、活用しましょう。
また図や表も使用可能です。口頭試験のときに試験官は手元に論文を置いています。文章で長々記述するより、図や表で表現した方が試験官もすんなり理解できます。プレゼンテーション資料を作ると思って、見栄えよく仕上げた方がスムーズな口頭試験になります。


TOPページに戻る
サイト内検索
電気の基礎
電気とはなにか
電気の歴史
電荷
電気力線と電束
原子と分子と電子
電気の回路と水の回路
電流とは
電圧とは
抵抗とは
電力と電力量
直列・並列接続の合成抵抗
分圧と分流
直流と交流
正弦波交流
抵抗・リアクタンス・インピーダンス
電界と磁界
磁荷
磁力線と磁束
磁気ヒステリシス
コイルとインダクタンス
コンデンサと静電容量
共振
力率と皮相・有効・無効電力
3相交流
ベクトル図の使い方
電線にとまった鳥が感電しない理由
需要率と負荷率と不等率
パーセントインピーダンス法(%Z)
ホイートストンブリッジ
スターデルタ変換・デルタスター変換
電圧降下
過渡現象
過渡現象(R-L直列回路)
過渡現象(R-C直列回路)
発電・送配電・受変電
原子力発電の仕組み
水力発電の仕組み
火力発電の仕組み
太陽光発電の仕組み
関東と関西で周波数が違う理由
なぜ交流送電なの?
停電
瞬時電圧低下
受電方式
スポットネットワーク受電方式の仕組み
進相コンデンサと力率割引
遮断器と開閉器と断路器
開閉サージ
GIS(ガス絶縁開閉装置)
保護継電器
変圧器(トランス)
励磁突入電流
接地(アース)
統合接地
接地用補償コンデンサ
電源冗長化
フェランチ効果
電気設備・機器
交流の電気方式
変流器
漏電と漏電遮断器
誘導電動機の始動法
インバーターの仕組み
ケーブル・絶縁電線・コードの違い
蛍光灯
エアコンの仕組み
直流電動機(直流モーター)
誘導電動機
指示計器
電磁開閉器(マグネットスイッチ)
短絡(ショート)
ヒューズ
リレー(継電器)
メインテインとモーメンタリ
スイッチ(片切・両切・3路・4路)
トラッキング
電力デマンド
渦電流
表皮効果
高調波
放電
無停電電源装置(UPS)
電気トリー・水トリー・化学トリー
電気設備保守
絶縁抵抗測定
接地抵抗測定
耐電圧試験
漏電電流の回り込み
法則・定理
オームの法則
クーロンの法則
キルヒホッフの法則
ファラデーの法則・レンツの法則
フレミングの法則
ミルマンの定理
テブナンの定理
ガウスの定理
重ね合わせの理
アンペア周回積分の法則
ビオ・サバールの法則
公式・略号
電気公式集
数学公式集
電気設備略号辞典
制御器具番号
数学
分数
指数
因数分解と展開
方程式
比例と反比例
三角関数
度数法と弧度法
虚数
電気系資格
電気主任技術者とは?
エネルギー管理士とは?
技術士とは?
技術士総合技術監理部門とは?
資格試験対策
電気主任技術者試験2次試験対策
技術士2次試験対策(筆記試験)
技術士2次試験対策(技術的体験論文)
技術士2次試験対策(口頭試験)1
技術士2次試験対策(口頭試験)2
試験勉強法
資格試験過去問題
第3種電気主任技術者 理論
第3種電気主任技術者 電力
第3種電気主任技術者 機械
第3種電気主任技術者 法規
第2種電気主任技術者 1次理論
第1種電気主任技術者 1次理論
第1種電気主任技術者 1次電力
第1種電気主任技術者 1次機械
第1種電気主任技術者 1次法規
第1種電気主任技術者2次試験 電力・管理
第1種電気主任技術者2次試験 機械・制御
エネルギー管理士(電気) 電気の基礎
技術士一次試験 共通科目数学
技術士一次試験 共通科目物理
技術士一次試験 共通科目化学
技術士一次試験 基礎科目
技術士一次試験 電気電子部門 専門科目
技術士一次試験 適性科目
技術士二次筆記試験 電気電子部門 必須科目
技術士二次筆記試験 電気電子部門 選択科目 発送配変電
技術士二次筆記試験 電気電子部門 選択科目 電気応用
技術士二次筆記試験 電気電子部門 選択科目 電子応用
技術士二次筆記試験 電気電子部門 選択科目 情報通信
技術士二次筆記試験 電気電子部門 選択科目 電気設備
技術士二次筆記試験 総合技術監理部門 必須課目
資格取得体験記
第3種電気主任技術者(電験3種)
第2種電気主任技術者(電験2種)
第1種電気主任技術者(電験1種)
技術士1次試験(電気電子部門)
技術士2次試験(電気電子部門)筆記試験
技術士2次試験(電気電子部門)口頭試験
技術士2次試験(総合技術監理部門)筆記試験
技術士2次試験(総合技術監理部門)口頭試験
建築設備士第1次試験
建築設備士第2次試験
エネルギー管理士(電気)
エネルギー管理士(新制度)
第2種電気工事士
電気☆入門について
当ウェブサイトご利用にあたって
管理人自己紹介
管理人へメール

Copyright (C) DENKIMAN. All Rights Reserved.