最近の不祥事が発覚される発端は、内部告発であることが多い。内部告発は社会の浄化に大きな貢献をしているが、冷遇されているのが現実である。内部告発者を保護し、解雇などの不当な扱いを禁止する公益通報者保護法が平成18年4月1日より施行された。これに関連して、次の記述のうち最も不適切なものを選べ。
(1) この法律は労働者がその組織の違法行為を通報することを公益通報として、公益通報者を降格、減給、解雇などの不利益な取り扱いから保護するものである。保護される対象には事業者も含まれている。
(2) 内部通報制度は、企業や官庁が内部に違法、不正なコンプライアンス違反の行為が存在することを認め、自浄作用によってこれを是正する契機となることを期待した制度である。内部告発を積極的に奨励するものではなく、「通報対象事実がまさに生じようとすることを信じるに足りる相当の理由」など一定の要件を満たす公益通報を保護している。
(3) 内部告発者はほとんどが組織内で浄化されることを願っており、企業や官庁がきちんとした内部通報を受け入れる仕組みやコンプライアンス体制を作れば、外部通報は直ちには行われないものと考えられる。
(4) De Georgeはwhistle blowingがモラル的に許される基準として、1)社会一般に深刻且つ重大な危害を与えると考えられること、2)直属の上司に報告していること、3)組織内のあらゆる可能性に取り組むこと、をあげている。
(5) 公益通報をする労働者は、他人の正当な利益または公共の利益を害することのないように努めねばならない。
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