短絡とは、電位差のある2つ以上の点を、非常に小さい抵抗値の導体で接続することをいいます。ショートということもあります。短絡は電気の事故の一種で、非常に危険なものです。
図1
図1は、電池に抵抗を接続した図です。
電池の電圧をV[V]、回路を流れる電流をI[A]、抵抗をR[Ω]とすると、
I=V/R
という関係があります。
仮に、Vを10[V]、Rを5[Ω]とすると、電流Iは、
I=V/R=10[V]/5[Ω]=2[A]
となります。
図2
図2は、電池の+と-を電線で接続した図です。
電線の抵抗Rは非常に小さいので、仮に0.001[Ω]とします。
この場合、Vを10[V]とすると、電流Iは、
I=V/R=10[V]/0.001[Ω]=10000[A]
となります。このような状態を短絡といい、非常に大きな電流が流れてしまいます。
短絡が発生している電気回路には、非常に大きな電流が流れます。電線やケーブルなどは、流すことのできる最大の電流値が定められています。これを許容電流といいます。電線やケーブルは、許容電流を超える電流を流すと発熱が大きくなり、時間とともに被覆が溶け、さらには発火する場合もあります。これが電気火災につながることもあります。
電気回路で短絡が発生した場合、遮断器が落ちたりヒューズが飛んで短絡電流を遮断し、事故除去を行います。
よって遮断器やヒューズは、使用される電気回路の短絡時に流れる大電流を遮断する能力が必要です。
遮断器やヒューズの遮断できる最大電流を遮断容量といいます。この遮断容量が、短絡時に流れる大電流より大きいものを選定する必要があります。