図1
垂直に張られた無限長直線導体の上から下に電流が流れると、導体を中心とした同心円状に磁界ができます。
このとき、導体からr離れた点の微小長さdlの磁界の強さをHとすると、
H∫dl=I
となります。
∫dlは半径rの円周の長さのため、
∫dl=2πr
となり、
H2πr=I
となります。
この式を変形すると、
H=I/2πr
となります。
このように、電流が流れている導体の周りに任意の閉路をおき、その閉路の微小部分における磁界の強さを合計すると、導体に流れる電流と等しくなります。これをアンペア周回積分の法則といいます。
アンペア周回積分の法則は、任意の閉路は円である必要はありません。上記の解説では、単純な積分で解を求められるように閉回路を導体を中心とした正円としていますが、楕円でも四角形でも閉路であれば、各部分の微小長さdlにおける磁界の強さを求め、それを積分することで磁界の強さを求めることができます。