電界とは電荷によるクーロン力が働いている空間のことです。
空間に帯電した物体(正電荷が負電荷より多い物体、または負電荷が正電荷より多い物体)を置くと、電界が発生します。そして電界に電荷を置くと、電界の働きによりその電荷に力がかかります。
電界は電界を発生している電荷から遠ざかるほど、電界の影響が小さくなります。
電界における電荷に対応するものとして、磁界における磁荷というものが考えられました。電荷と磁荷は力の働き方などの考え方がよく似ています。
ただし、電荷と磁荷で大きく異なる点があります。電荷が正電荷単体、負電荷単体で存在するのに対し、磁荷は正磁荷(N極)単体、負磁荷(S極)単体で存在することは確認されていないということです。
磁石は、図1のようにどんなに細かく切っていっても、N極とS極が別々になることはなく、N極とS極が1セットになります。しかし、N極単体、S極単体で存在すると考えたほうが、電荷のように磁気現象を考える際にわかりやすいため、正磁荷と負磁荷が存在するものとして考えます。
図1
電界と磁界は、考え方がよく似ています。
電界は電荷によるクーロン力が働く空間のことで、磁界は磁荷によるクーロン力が働く空間です。
それ以外にも下表のように考え方の共通点があります。
電界 | 磁界 |
電界とは電荷によるクーロン力が働く空間 | 磁界とは磁荷によるクーロン力が働く空間 |
電荷 | 磁荷 |
プラス/マイナス | N極/S極 |
電気力線 | 磁力線 |
電束D[C] | 磁束φ[Wb] |
電束密度D[C/u] | 磁束密度B[T] |
D=εE | B=μH |
真空の誘電率ε=8.854×10-12 | 真空の透磁率μ=4π×10-7 |
電界の強さ |
磁界の強さ |
クーロンの静電界の法則 |
クーロンの静磁界の法則 |