リレーの接点信号を用いて、離れた場所にある機器の運転や停止を行う場合があります。この場合に使用する信号には、メインテイン信号とモーメンタリ信号があります。
メインテイン信号は、機器を運転したい間は運転指令信号を出力し続ける方式です。メインテイン信号は、運転指令信号がONの時間と、機器が運転している時間が一致します。メインテイン信号は、レベル信号ともいいます。
図1
モーメンタリ信号は、運転指令信号と停止指令信号の2種類があり、機器の運転を開始するときに運転指令信号を、機器を停止するときに停止指令信号を、それぞれ1秒以下から数秒程度の短時間出力する方式です。モーメンタリ信号は、パルス信号ともいいます。
図2
モーメンタリは運転指令信号が短時間だけ出力されるので、運転指令信号がOFFになっても機器の運転を維持する回路が必要になります。これを自己保持回路といいます。
図3
図3は自己保持回路の図です。この自己保持回路は下記のように動作します。
1.操作場所にある運転指令の接点を閉じる。
2.CXのリレーコイルに電圧がかかりONになる。
3.CXのリレー接点がONになり、4Xのリレーコイルに電圧がかかりONになる。
4.4Xのリレー接点がONになり、42のコンタクタコイルに電圧がかかりONになる。
5.42のコンタクタ接点がONになり動力機器が運転する。また、CXのリレー接点と並列に設置された4Xのリレー接点がONになるため、4XのリレーはON状態を維持する。
6.運転指令のリレー接点が開く。
7.操作場所にある停止指令の接点を閉じる。
8.TXのリレーコイルに電圧がかかりONになる。
9.TXのリレー接点がOFFになり、4Xに電圧がかからなくなりOFFになる。
10.4Xのリレー接点がOFFになり、42のコンタクタコイルに電圧がかからなくなりOFFになる。
11.42のコンタクタ接点がOFFになり動力機器が停止する。
12.停止指令のリレー接点が開く。