電気保安の確保の観点から、電気事業法により、事業用電気工作物(電気事業用及び自家用電気工作物)の設置者(所有者)には、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるために、電気主任技術者を選任しなくてはならないことが義務付けられています。
電気主任技術者の資格には、免状の種類により第一種、第二種及び第三種電気主任技術者の3種類があり、電気工作物の電圧によって必要な資格が定められています。
第一種電気主任技術者は、すべての事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
第二種電気主任技術者は、電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
第三種電気主任技術者は、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力 5千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用の保安の監督を行うことができます。
第一種電気主任技術者は、発電所や変電所クラスで必要になります。大型ビルや大型工場などは、第二種電気主任技術者で十分です。大体の目安としては、ビルの場合15階建て以上は第二種電気主任技術者、15階建て以下は第三種電気主任技術者といった感じです。
電気主任技術者になるには、
1.国家試験を受験し合格して取得する。
2.一定の条件を満たして認定を受け取得する。
という2つの方法があります。
第三種は一次試験のみですが、第一種及び第二種は一次試験と二次試験があります。
一次試験は、4課目です。課目合格制ですので、有効期限の3年間で4課目すべてを課目合格すると合格となります。
二次試験は、一次試験の4課目合格が更に1年間有効ですので、二次試験は2回まで受験のチャンスがあります。
一次試験は、理論・電力・機械・法規の4課目、二次試験は電力管理・機械制御の2課目です。
第一種一次試験はマークシート方式+記述式、二次試験は記述式です。
第二種一次試験はマークシート方式、二次試験は記述式です。
第三種はマークシート方式です。
記述式の計算問題はは、計算の途中経過を記入するため答えが間違っていなくても部分点をもらえるようです。
実際私は部分点で合格できたと思います。
第一種電気主任技術者試験は大学で学ぶ電気工学レベル、
第二種電気主任技術者試験は短大で学ぶ電気工学レベル、
第三種電気主任技術者試験は高校で学ぶ電気工学レベル
と言われていますが、実際はもっと難しいです。
合格基準は、
第一種・第二種・第三種とも一次試験は、課目ごとに60%以上の正答で課目合格、4課目合格で一次試験合格となります。
第一種・第二種電気主任技術者試験の二次試験の合格基準については、「総合評価方式として全課目の合計点が60%以上で、かつ、各課目の最低取得点はその課目の平均点以上を合格とする。ただし、問題が難しい場合は、全課目の合計点を55%程度まで、各課目の最低取得点を平均点-5%までそれぞれ引き下げることができる。」となっています。
場合によっては50%くらいまで引き下げられる場合もあります。